中東って一年中暑いんでしょ?
みなさんは”中東”っていうとどんなイメージが浮かぶだろうか?
僕はよく、出国前にいろんな人から「危なくないの?」、「暑そう」、「ラクダだろ」などなど典型的?な印象のコメントをもらって来た。僕自身も、もれなく「暑そうってか一年中暑いんでしょ?」って思ってた。
そこでまず中東地域とはどんなところなのかを整理したいと思う。
中東ってどこを指すの?
事前に断っておくと、国によって中東の概念が異なる。そのため、ここでは日本外務省の分類を一例にした。
しかし、これは自分が認識している中東だ!と言いたい訳ではなく、あくまで日本政府の分類を示しているに過ぎない。
なぜなら、日本人が旅行などを計画した時には日本外務省の見解や情報を頼ると思われるから。
以上を念頭に置いて日本の外務省の分類を見ると、中東に含まれる国は以下の通り。
- アフガニスタン
- アラブ首長国連邦
- イエメン
- イスラエル
- イラク
- イラン
- オマーン
- カタール
- クウェート
- サウジアラビア
- シリア
- トルコ
- バーレーン
- ヨルダン
- レバノン
- (パレスティナ)※
以上の15ヶ国を日本の外務省では中東という括りで呼んでいる。(※パレスティナは外務省としては自治政府という表記をしているため、分類上外してある)
このうち、アフガニスタン、イエメン、シリアは外務省の海外安全情報レベル4に指定されている。
これは退避勧告のレベルであり、渡航が全面的に禁止されている。イラクは全面的にレベル4な訳ではないが、基本的に渡航はできないかと思われる。
また、サウジアラビアは現在、日本に対して観光ビザを発給していない。そのため駐在など以外で行ける国は10ヶ国かな。
日本外務省海外安全情報を参照
何語使ってんの?
「あの、ニョロニョロしたやつでしょ?」イメージはきっとアラビア語だと思われる。
上記分類の中東諸国を公用語別にアラビア語と、そうでない国に分けてみた。
アラビア語 اللغة العربية
- アラブ首長国連邦
- イエメン
- イラク
- オマーン
- カタール
- クウェート
- サウジアラビア
- シリア
- バーレーン
- ヨルダン
- レバノン
- (パレスティナ)
パシュトー語もしくはダリー語
- アフガニスタン
ペルシャ語 فارسی
- イラン
トルコ語 Türkçe
- トルコ
ヘブライ語 עברית
- イスラエル
アラビア語圏が多いものの、このように多様な言語圏が入り混じっている。
じゃあ逆にアラビア語話者が多い国ってどこ?って思ったので、調べてみた。
アラビア語圏
緑の国がアラビア語を唯一の公用語としている国で、青色の国は複数言語を公用語としている国
(wikipediaを参照。一部加工済)
これはアラブ人が多い地域だったり、アラブ人が考えるアラブ圏だったりとある程度被っている。
どこも石油出るんでしょ?
これはよく言われたが、大きな間違いである。きっと中東=サウジなどのイメージが付いちゃってるんじゃないかなぁ。
石油の産出国は以下の通り。
- サウジアラビア(世界1位)
- イラク(世界4位)
- イラン(世界6位)
- アラブ首長国連邦(世界8位)
- クエート(世界9位)
- カタール(世界16位)
- オマーン(19位)
- シリア(世界48位)
- イエメン(世界49位)
ほとんど湾岸諸国に石油が出る国は集中していて、地中海側の中東はほとんど出ないということが分かる。
そのため、石油が出る国と出ない国での経済格差が激しいという事も特徴である。
湾岸諸国ってよく聞くけどどこそれ?
僕もよく分かっていませんでしたが、コトバンクによると、
ペルシア湾(アラビア湾)に面する国々。
サウジアラビア、イラク、イラン、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、オマーン、バーレーンの 8ヵ国。
上記に示した通り、ほとんどすべて石油産出国ですね。バーレーンも産出国ではあるものの、枯渇が懸念されていてその他の産業にシフトしていっている。
結局一年中暑いの?
そんなことはない。夏こそとても暑く、国によっては50℃を超えることもあるが、冬には雪が降る国もある。
トルコやレバノン、シリア、イランなどではスキーもできるとか。
しかし日本と違い、湿度は低い国が多いので、乾燥による脱水などには常に注意したい。
そして昼と夜の寒暖差に驚くこともしばしばある。
ちなみに任地では12〜1月は毎日ストーブを使っていた。家が石造りという事もあり、家の中の方が寒い事もしばしば。
一方夏は暑くて昼間に活動したくなかった笑
ラクダとかどこにでもいるん?
どこにでもいる訳ではない。
エジプトですら観光スポットに限りラクダがいたものの、都市部ではまず見かけることはなかった。
(中東の括りに入っていないけど)
任国では町の外れの方にたまに見かけたりする。ペトラの町ではその辺に飼ってる家があるけど・・・。
ちなみにラクダの肉は食べる事もある。高いけど。。。
味はというと、牛肉に似ているだろうか。筋張っているところもあるけど、臭みはなくて美味しい方じゃないかな。
1㎏で1,500円くらい。
そういえば、活動先でラクダっていくらくらいするん?って聞いてみた。(飼うという意味で)
大人のラクダだと、日本円にして約30万円!!地方公務員の年収が約110万円と考えると1/4弱だからすごく高い。
じゃあラクダ欲しいなぁ〜とか言って気軽に飼えないんだねって言ったら、子供のラクダなら8万円くらいで買えるらしい。
まとめ
結局何を書きたかったのかまとまりがなくなってしまったが、要はこういう事である。
僕自身も来る前の中東に対するイメージって偏見や偏った情報を元に頭の中で創り上げていたなぁ。と今は考えている。
今回の記事は、客観的な情報を羅列したので、読んでいてもそんなに面白くないかもしれない。
しかし、争いや軋轢などの多くは誤解や、偏った情報を元にしてそれをすべてに適用して考えたり、偏見、もしくは自分とは考え方の違う人がいるという事を認めることができないから起こると考えている。
任国に来てからはそう感じることが少なからずある。
だから色んな角度から情報を得て、中立な目を保ちたいと思った。
そして、そもそも中東について自分なりに整理していないと気がついた。
そこで、まずは地理的な面を中心にまとめてみようと考えた。(ラクダとか違うけど・・・)
長くなったので今回はこの辺で・・・
また別の角度からもまとめてみたいと思う。文化面とか・・・っても他の中東の文化をあまり知らないけど。
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